摂食障害(過食症・過食嘔吐・チューイング・下剤乱用)相談
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摂食障害と性的逸脱について

アダルト・チルドレンの特性と性的虐待体験

アダルト・チルドレンを医学的観点から見ると、複雑型PTSDやDESNOS(Disorder of Extreme Stress not Other Specified)などの病態が当てはまるようです。
複雑型PTSDとは、成長の早期にトラウマを受けた人に見られるもので、児童期虐待の帰結でもあります。
その症候は、精神面から身体面まで多岐に渡り、人間関係に(主に負の)多大な影響を及ぼします。
複雑型PTSDでは、過去のトラウマを再現するような危険な行動や人間関係に魅力や刺激を感じやすく、そこに捉われやすい性質があり、それをトラウマ・ボンドと言います。
摂食障害、過食症では、性的虐待の既往のある方々もいます。
性的虐待を受けた方が売春に走ることが多いのは、このトラウマ・ボンドの影響があるのでしょう。
また、複雑型PTSDの症候として、過度で自己破壊的な性行動や性倒錯が見られることもあり、トラウマの種類に限らず、幼少期のトラウマ体験は、性的逸脱につながるような性的関わりへの調節障害を生じるようです。

嫌悪していても「ハマる」「のめり込む」 底なし沼の恐怖

過食や過食嘔吐、チューイングをする方が、性的に奔放であったり、複数の異性と関係することがあるのは、その方のもともとの性質というよりも、アダルト・チルドレンとしての特徴が深く関わっていることがあります。
あるいは、幼少期の性的虐待体験に起因する場合もあるでしょう。
また、過食費を稼ぐため、あるいは、お金に対する過剰な不安から、売春に至ったり、高収入の性にまつわる仕事につく場合もあるでしょう。
この場合重要なことが二つあります。
症状が激増することによって過食費も膨大となり、金銭的にもその仕事をやめることが難しくなるということ。
二つ目は、自分にとって嫌な行為でも、アダルト・チルドレンとしての特性があれば、そのうち売春行為や性行為に嗜癖が生じて、そこから抜け出すことが、徐々に、しかし確実に、難しくなるということです。
そして、そのストレスフルな状況が、さらなる依存物質・対象を呼び込むことになると、それこそが依存症の悪循環の典型的な姿です。

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