摂食障害(過食症・過食嘔吐・チューイング・下剤乱用)相談
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DSM-5とは

DSMは、国際的に使われている、アメリカ精神医学会が定めた心の病気に関わる診断基準です。
2013年に改訂された最新のものがDSM-5です。

DSM-5と摂食障害

DSM-5では、摂食障害は、神経性やせ症(神経性無食欲症)、神経性過食症(神経性大食症)、過食性障害などの名称で分類されています。

簡単に言うと、
過食嘔吐していてやせている方や典型的な拒食症の方は、神経性やせ症(神経性無食欲症)です。
やせを伴わずに、過食嘔吐や下剤乱用がある場合などは、神経性過食症(神経性大食症)です。

やせや嘔吐などの排出行動を伴わず過食のみの場合は、過食性障害です。
また、「やせ」「肥満」などの体格の指標となるBMIや、過食・過食嘔吐の回数によって、それぞれの病型の重症度が特定されます。

各病型の重症度は以下のようになっています。

神経性やせ症(神経性無食欲症)

軽度 : BMI ≧ 17 kg/u
中等度 : BMI 16〜16.99 kg/u
重度 : BMI 15〜15.99 kg/u
最重度 : BMI < 15 kg/u
※BMI表記は成人を対象としたものです。

神経性過食症(神経性大食症)/過食性障害

軽度 : 過食や過食嘔吐が週に 1 〜 3 回
中等度 : 過食や過食嘔吐が週に 4 〜 7 回
重度 : 過食や過食嘔吐が週に 8 〜 13 回
最重度 : 過食や過食嘔吐が週に 14 回以上

過食や過食嘔吐の回数や、BMIだけで重症度が決まるわけではありません。
うつ病、アルコール依存症など、摂食障害に併存しやすい精神疾患の有無、過食嘔吐や拒食による身体合併症の有無、
合併症・併存症がある場合、その医学的管理の必要性の有無、
摂食障害の症状や合併症・併存症によって、仕事・家事・育児にどれだけ支障がでているか、日常生活がどれだけ害されているか、
摂食障害では、BMIや過食・過食嘔吐の回数による重症度分類に加え、ほかの症状、日常生活を送る上で必要な能力の低下、医学的管理の必要性などを反映して、重症度が判定されます。

例えば、BMI 17.5の拒食症の方の場合、
DSM-5上、神経性やせ症(神経性無食欲症)であり、重症度はまずは軽度と分類できます。
しかし、その方が頻繁に低血糖発作に倒れている場合などは、重症度はさらに重いものとなります。

※上記はDSM-5の内容をわかりやすくするために簡略化して書いたものです。
正確を期すためには原文をご参照ください。

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