摂食障害(過食症・過食嘔吐・チューイング・下剤乱用)相談
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摂食障害とくり返す万引き

摂食障害はなぜ万引きをくり返すのか

摂食障害、過食症で万引き行為に至る場合、そのプロセスは複数あり、それが複雑に絡み合って、しかもはっきりと意識されていないものと思われます。
摂食障害、過食症では、自分自身の感情が分かりづらい特性もあり、本人にも、なぜ自分が万引きしてしまうのか、なぜくり返してしまうのか、はっきりと分からないまま、ただ自分を責め、どうにもならない状況に八方ふさがりになっていることも多いでしょう。

摂食障害、過食症に見られるくり返す万引きには、過食衝動が直接的、間接的に関わっているもの、アダルト・チルドレンとしての特徴が関わっているものがあります。
簡単にまとめると、以下のようになります。

1) 過食衝動に伴う盗み食いや食べ物の万引き。
2) 自分では止められない過食症状と減っていく過食食材・お金への強い不安が、不適切な対処行動である万引きを引き起こす。
3) アダルト・チルドレンの特徴、自己処罰としての万引き。
4) アダルトチルドレンの特徴が複数絡まり合った状態での万引きで、尊大で誇大的な自己イメージ、怒りや恨みの感情の爆発、衝動性が関わっている。
5) (多重)嗜癖としての万引き。
6) 併存する解離性障害の、解離時の万引き。

これらのプロセスは、万引きだけに当てはまるものではなく、摂食障害、過食症の方を、その他の犯罪や反社会的行動、性的逸脱へと押しやることもあるものです。

専門書では、摂食障害、過食症でくり返す万引きを認めるときに、摂食障害、過食症の治療をすることが、万引き行為の改善にも役立つ、と記されています。
しかし現状、満足な摂食障害治療を受けられる治療機関はどれほどあるのでしょう。
摂食障害、過食症に悩む患者さんの総数に比し、その数はあまりにも少ないのではないでしょうか。

過食衝動を無くし、抑え込まずに過食や過食嘔吐、チューイングを止め続けることができれば、1)、2) のプロセスの万引きは無くなるでしょう。
過食衝動やお金への不安が関与した、売春などその他の犯罪行為をも未然に防げるかもしれません。
ガマンせずに過食、過食嘔吐、チューイングが止まり続けるのであれば、全体的なストレスが軽減され、他のプロセスの万引きへの歯止めとなる可能性もあります。
そうすれば、多重嗜癖としての万引きの悪化を防ぐこともできるでしょう。

摂食障害で万引きをくり返している方へ

抑え込まずに、いち早く過食、過食嘔吐、チューイングを止めよう!

過食衝動を無くし、ガマンせずに、一刻も早く過食や過食嘔吐、チューイングを止めることは、摂食障害、過食症を治す上で非常に重要なファクターです。
そして、それは摂食障害、過食症の方全てに優先されるべきことですが、なかでも、過食衝動を無くし、ガマンせずに、いち早く過食や過食嘔吐、チューイングを止めることが特に重要な方々がいます。

糖尿病など、過食に伴う身体合併症でもある生活習慣病を発症してしまっている方は、その合併症の進行を抑えるため、ガマンすることなく、早々に過食を止めなければなりません。
そして、万引きしてしまう方にとっても、多重嗜癖としての病状を固着させないため、過食衝動を無くし、ガマンせずに、いち早く過食や過食嘔吐、チューイングを止め続けることが、最も優先されるべきことなのです。

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