摂食障害(過食症・拒食症・過食嘔吐・チューイング・下剤常用)相談
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病院での摂食障害治療

摂食障害、過食症、過食嘔吐、拒食症は中枢性摂食異常症という治すことが極めて難しい難病に指定されています。

難病ということは、精神科や心療内科で薬をもらえば治る、通院や入院をすれば治る、という病気ではないということです。

心身ともに多大な負担がかかり、悪化すると仕事や家事、育児、日常生活ができなくなり、死亡率も7%と極めて高いです。
適切な病院、治療機関を選択できる否かで、生死を分けることもあります。

摂食障害の合併症や併存症は、病院や精神科、専門の治療機関を受診しましょう。

病院や精神科、専門の治療機関を受けるにあたっての心得

摂食障害には様々な合併症があるため、内科、消化器科、婦人科、整形外科、歯科、精神科救急等での治療が必要です。
またうつ病等何らかの気分障害や不安障害、パーソナリティ障害等が併存する率も極めて高いため、精神科等での治療も必要です。
そのため、摂食障害、過食症、過食嘔吐、拒食症の治療は、多くの分野の専門職がチームを組んでそれぞれの専門知識を生かしたチーム医療を行うことが望まれます。

摂食障害専門の相談センターでも、摂食障害の患者さんすべてに対応できるわけではありません。難病を治すという大きな課題に対してセンターでできることは限られています。相談センターでできることは主に「過食衝動を無くし、過食やむちゃ食いを止めること」です。

センターには摂食障害専門の医師が在籍しています。しかし、多岐に渡る身体の合併症や併存するうつ病等の精神疾患をセンターだけで治せるわけではありません。合併症やうつ病、不安障害等の精神疾患が併存する場合は、病院や精神科での治療や入院が必要です。

米国・英国・オランダ・ドイツには、それぞれ専門治療施設があり、数ヶ月単位の入院治療を行っています。
米国では摂食障害を数ヶ月かけて入院治療を行う中間的な施設は全国にかなりの数があるようで、一日1000〜1200ドル、日本円にして一日約10万円の費用がかかります。数ヶ月の入院で1000万円以上かかりますが、英語が話せて経済的に余裕がある患者さんにはひとつの選択肢でしょう。

欧米には摂食障害専門の治療施設が多数ありますが、日本にはありません。当センターのように摂食障害専門の医師がいる病院も、残念なことですが日本では極めて少数です。
国内に摂食障害専門の治療施設がない現状では、摂食障害の合併症やうつ病等の精神疾患を併発している患者さんは、センターで過食衝動を無くし、過食を止められたとしても、それだけで完全に健康になるわけではありません。合併症や精神疾患の治療のためには他の病院や精神科での治療が必要になります。

精神科と心療内科の違い

精神科は摂食障害、うつ病、不安障害、神経症、不眠、イライラといった精神疾患や心の病気を専門に扱う科です。
精神疾患に関する専門家が精神科医ですから、摂食障害はたとえ軽症であっても精神科に行くのが適切です。

心療内科は胃潰瘍、気管支喘息、高血圧症、潰瘍性大腸炎など、ストレス等精神的な影響が大きい体の病気が専門です。
内科と名の付く診療科は、基本的に体の病気が専門です。
内科には循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科、心療内科というように専門科があります。
心療内科医は基本的には内科医です。
心療内科の専門医であっても精神科の研修を受けていない医師はおおぜいいます。

日本摂食障害学会監修の「摂食障害治療ガイドライン」によると、過去または調査時に57%の摂食障害の患者さんが、大うつ病等の気分障害を併発しています。
摂食障害は不安障害、パニック障害、パーソナリティ障害、強迫性障害、発達障害等さまざまな精神疾患が併存している可能性が高い病気です。

摂食障害は中枢性摂食異常症という難病に登録されています。
原因不明、治療方針未確定(難病の定義)で、ただでさえ治すことが非常に難しい病気です。
精神科以外の専門外の内科医の治療を受け、もし併存症を見逃してしまったら治るものも治らなくなるかもしれません。

精神科はよほど重い精神病の人が行くところという誤解や偏見がまだ根強くあります。
そのため精神科の敷居は高く、本来精神科で治療すべき摂食障害の患者さんの多くが心療内科を受診しています。

誤解や偏見を無くし、早く精神科を受診できるようになって欲しいものです。

病院や精神科、専門の治療機関の選択にあたって

1 身体合併症がある患者さん

無月経、不整脈、除脈、低血圧、低血糖、浮腫、唾液腺膨張、逆流性食道炎、胃拡張や穿孔、脱毛、産毛増生、骨粗しょう症、下痢、便秘、糖尿病等。

病院、医療機関での治療が必要です。

病院で身体合併症を治療したあと過食、嘔吐、下剤乱用が続けば合併症は再発します。
過食を止め、合併症も治療したい場合は、センターで過食を止め、病院で合併症の治療をすると良いでしょう。

2 精神疾患を併存する患者さん

摂食障害ガイドラインによると、過食症の患者さんのうつ病の生涯罹患率は46〜63%と極めて高率です。
特に過食嘔吐の患者さんの61%は過去または調査時に大うつ病を併発しています。

何らかの精神疾患を併存している患者さんは精神科での治療が必要です。

精神科、心療内科、カウンセリングでは過食を止めたり過食衝動を無くすことはできません。
相談センターで過食を止め、精神科で併存症の治療をすると良いでしょう。

3 身体の合併症や精神疾患の併存症がない患者さん

過食は意志の力で止めることはできません。
そのうち治ると安易に考えているうちに、腎機能障害、肝機能障害や不整脈等の身体合併症になりかねません。
あるいは難治性のうつ病を併発すれば仕事や家事、育児が長期にわたって難しくなります。
現在身体の合併症や精神疾患等の併存症がない人は、今後何十年かのうちに発症する可能性は十分にあります。

今過食を治すことができれば、合併症や併存症に苦しむことなく過ごすことができます。

4 相談センターでは治せない患者さん 

緊急入院が必要な患者さん

低体温(体温35度未満)。極端な低体重や筋力低下。低カリウム血症。低リン血症。嘔吐や下剤乱用による低カリウム血症を放置すると不整脈による突然死の恐れがあります。

重度の精神障害の患者さん

思考、感情が混乱し、他者との関係が確立できない程重度の精神障害の患者さん。精神科での治療、入院が必要です。 

摂食障害(過食症、拒食症、過食嘔吐、チューイング、下剤常用)専門
相談センター
統括代表 西浦可祝 摂食障害専門
171003h