過食は、過食衝動を無くせば簡単に止まります。

母親が糖尿病です。私も過食が続いたら発症しそうで不安です。

私は過食症です。
私の母が糖尿病で脳梗塞を合併し、今では意志の疎通もできず、ずっと施設に入っています。
過食するたびに、自分も糖尿病になったり、脳梗塞になったりするのではないか、と怖いです。
頻繁に内科を受診して、血液検査で糖尿病のチェックをしてもらっていて、数値に異常が無いと言われていますが・・・。(30代女性過食のみ)

糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病があります。
相談者様のお母様は、2型糖尿病であると思われます。
また、脳梗塞など重大な糖尿病合併症を発症していることからも、高血圧や高脂血症などメタボリックシンドロームの関与もあったかもしれません。
あなたには2型糖尿病になりやすい体質があるでしょう。

2型糖尿病の発症には、遺伝因子と環境因子が関わっています。
2型糖尿病になりやすい体質をベースとして、そこにさまざまな環境因子が加わることで、2型糖尿病が発症します。

2型糖尿病の遺伝因子は複数あると考えられており(多因子遺伝)、全容は明らかになっていません。
遺伝とは親から子に伝わるものです。
あなたには2型糖尿病の遺伝因子があると考えられます。

2型糖尿病に関わる環境因子は、過食、ストレス、肥満、運動不足、加齢があります。
あなたが過食症であるということは、2型糖尿病を発症しやすい環境因子をも持っているということです。

また、低出生体重、胎児期に子宮内低栄養があったことは、2型糖尿病のみならずメタボリックシンドローム発症の危険因子となります。
低出生体重、胎児期の子宮内低栄養は、第三の因子、言うなれば「胎児期の環境因子」でしょうか。
あなたの出生体重、胎児期の子宮内発育不全の有無も、2型糖尿病の発症に関わる重要な情報です。

ここで重要なことは、糖尿病と過食症は併存する病気の取り合わせとして、お互いがお互いにに悪影響を及ぼす、最悪のものだということです。

まず、過食症は、2型糖尿病の環境因子である過食を主症状とする疾患です。
くり返す過食は、2型糖尿病の発症を早めることになります。
2型糖尿病になりやすいまったく同じ体質を持つ人が二人いたと仮定します。
一方が過食症で一方が過食症で無いのであれば、過食症の人の方が生涯を通じて糖尿病を発症しやすく、また、早い段階で糖尿病を発症する、ということです。

糖尿病を発症してしまったら、病院など医療機関での治療が必要になります。
糖尿病の治療の柱となるのは、食事制限などの食事療法です。
過食症の方が食事制限を行うと、それがストレスとなり、過食衝動を刺激し、過食が増えます。
一旦糖尿病が発症してしまえば、その治療に伴うストレスも相まって、過食症の病状が悪化しうるということです。
増える過食が糖尿病の病状を悪化させ、事態はどうしようもない悪循環に陥るでしょう。

糖尿病になりやすい体質のある方が過食症であったなら、まず一刻も早く、我慢することなく、過食を止めなければなりません。
それが糖尿病の発症を予防するために最も大事なことです。

止められない過食に憂え、将来の糖尿病に怯え、お母様の病状も心配で、あなたの心痛はいかばかりかとお察しします。
無理もないことですが、あなたは、ひどくつらい現状に溺れそうになっているのかもしれません。

血液検査で、HbA1cなどの、糖尿病の指標となる数値を適宜チェックすることは意味のあることです。
しかし、2型糖尿病を発症しないために、あなたにできることが他にあります。
それは、おそらくあなたができる予防策として、最も効果的なことです。
一刻も早く、我慢せずに過食を止めましょう。
しかし、過食の症状を自分でなんとかしようとすると、結果的に過食が増えるなど、病状が悪化しかねません。
我慢せずに過食の症状を止められる所を見つけてください。
過食衝動を無くせば、我慢することなく過食の症状は自然に止まります。

糖尿病を発症してしまっているのであれば、病院、医療機関での治療も必要になるでしょう。
その場合、過食衝動がある状態での糖尿病の食事療法は非常につらいものになります。
糖尿病の発症の有無に関わらず、あなたの最善策は、まず過食症の治療に取り組むことです。
なかでも最重要課題は、過食衝動を無くして、なるべく早く自然に過食が止まった状態になることです。

また、摂食障害、過食症では、病気であること、症状を恥じる傾向が強く、過食や過食嘔吐についてなかなか医師、医療従事者に伝えることができないようです。
過食は2型糖尿病の環境因子のひとつでもあります。
医療従事者への適切な情報提供は、自分自身の身を守ることにつながります。
過食について、通院中の内科の医師に伝えておいた方が良いでしょう。