過食は、過食衝動を無くせば簡単に止まります。
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摂食障害の治療

はじめに

猛威をふるう摂食障害

過去、摂食障害は若い女性に特有の比較的まれな疾患と認識されていた時代もありました。
しかし、今や摂食障害は、小学生児童から高齢者に至るまで、あらゆる年代の女性に広がりを見せています。
そればかりか、男性の摂食障害も増加傾向にあるようです。
今日本で、摂食障害が猛威をふるっています。

病識の乏しさが摂食障害を拡散させる

病識に乏しい(自分を病気と思わない)依存症としての側面が、より事態を悪化させています。
病識の乏しさは、患者さん一個人で言えば、慢性・遷延化などの病状の進行をまねきます。
摂食障害を放置すれば、そのほとんどが他の依存症と同じ経過をたどります。
身体と心の健康、あたたかい人間関係、財産、生きがい、命など、大切なものを次々と失うことになるでしょう。
また、自覚の無いままに子育てをすると、子どもに依存症の性質を受け継がせていき、世代間連鎖が起こります。

病識に乏しい一個人に摂食障害の根が深くはびこり、根が深くはびこるほどに、摂食障害は周囲に広く拡散していきます。
そのようにしてこそ、あらゆる年齢の女性、果ては男性にまで、摂食障害は広がっていきました。
摂食障害は日本社会に深く根を下ろしています。
摂食障害の猛攻は止まるところを知らず、果ても見えません。

摂食障害を治すために

心構え

摂食障害がここまで猛威を振るっていることには、もうひとつ原因があります。
摂食障害の根本的な治療法が医学的に解明されていないからです。
近場の精神科に行っても、高名な医師のいる大学病院に行っても、摂食障害の根本治療を受けることはできません。

まずはこの事実を受け止めてください。
その上で、医療機関(医院や病院)・摂食障害専門の治療機関で受けられる治療について知りましょう。(関連ページ:大学病院の方がいいですか?病院で本当に治りますか?

摂食障害の患者さんにとって、治そう、という意志を持つこと自体、非常にエネルギーを必要とします。
本来なら、ひとつの治療機関にすべてまかせ、摂食障害やその関連の身体合併症、併存する精神疾患をまとめて診てもらいたいところでしょう。
現在、そのような施設は日本に存在しません。

摂食障害である患者さん本人やご家族が、治療のコーディネーターとなってください。
まず、何に困っているか、何を改善したいのか、焦点を絞ることです。
ときには改善したいポイントごとに、複数の治療機関を利用することも必要でしょう。
摂食障害を治すとき、自分が困っていることに焦点を当て、それに合わせて治療機関を選ぶ必要があります。

きちんと過食を止め続けるには『過食衝動にアプローチ』

摂食障害に悩んでいるほとんどの方は、過食や嘔吐、チューイングを含むご自身の食行動の異常にお困りのはずです。
事実、この食行動の異常さえなければ、多くの身体合併症も存在しません。
これらの食行動の異常に関して、医療機関で行われている代表的な治療は、精神科での薬物治療、認知行動療法、対人関係療法、カウンセリングなどです。
摂食障害の患者さんが自分でもコントロールできない過食に悩むのは、過食衝動があるからです。
自制心を総動員し、がまんして過食を止めても、それはあくまでも一時的なことです。
いつか爆発して、倍返しとなった症状に再び悩まされるだけです。
過食衝動がある限り、がまんせずに過食を止め続けることは不可能です。
逆を言えば、過食衝動を無くすことで、無理せず症状が自然に止まり、それが続くということです。

精神科で処方されるような抗うつ剤や抗精神病薬が、摂食障害の症状の改善に役立つというデータもあるようですが、長期的な効果ははっきりしていません。
過食衝動を無くしてくれる薬は、今のところ存在しません。
認知行動療法は、物事の受け止め方や言動を変えていくことで患者さんの気分を改善させ、過食を減らそうとする試みです。
また、対人関係療法は、重要な他者とのやりとり・出来事と感情とに焦点を当て、対人関係パターンの変化を促すことで、対人関係のストレスを軽減させ、過食を減らそうとする試みです。
いずれも過食衝動に直接働きかけるものではありません。
医療機関で行う薬物治療、認知行動療法、対人関係療法、カウンセリングは過食衝動にアプローチしていません。
むりせず過食を止めたい、きちんと過食を止め続けたい方は過食衝動に直接アプローチする治療機関を利用しましょう。(関連ページ:摂食障害の初診は何科?

治療機関を選ぶということ

摂食障害は身体合併症が多岐にわたり、併存する精神疾患も多い病気です。
ひとつの治療機関だけで摂食障害に関わるすべての問題を網羅することはできません。
ときには、複数の医療機関・治療機関を利用することも必要になるでしょう。

摂食障害は精神疾患ですが、過食・過食嘔吐・チューイングなど食行動の異常に伴い、身体合併症も多く存在します。
その身体合併症も、虫歯や酸蝕歯、逆流性食道炎による胸やけ、著しいやせによる不整脈、自律神経系の異常など、非常に多岐にわたります。
身体合併症のみならず、うつ病、不安障害など精神疾患の併存症も多く存在します。
摂食障害の根本的な治療こそが、多岐にわたる身体合併症や併存する精神疾患の改善につながることは間違いありませんが、現在の医学にはその手立てがありません。

身体の症状でお困りのことがあるものの、何科を受診すればいいのか分からない時もあるでしょう。
そういう場合は、総合診療科を受診するのも良いでしょう。
多科併設の病院であれば、看護師などの医療従事者が前もって主訴を聞いた上で何科を受診するのが良いかアドバイスしてくれることもあります。
病院によっては、紹介状が無いと受診できない場合もあります。
その場合は、近くの内科医院などを受診し、身体の症状について相談し、必要であれば紹介状を書いてもらいましょう。

身体症状を医療従事者に相談するときに最も大切なことは、摂食障害の症状について、下剤・利尿剤の常用・乱用など薬物の使用について、正直に伝えることです。
過食嘔吐症状の有無、薬剤使用の有無が、血液検査や胃カメラなど各種検査の必要性を左右することもあります。
身体症状の不調だけを訴えると、病状を軽視され、必要な処置が受けられないかもしれません。

やる気がでない、うつっぽいなど、精神的な症状にお困りの場合は精神科を受診するのが良いでしょう。
心療内科は、心身症などストレスによる内科的疾患を診るため、内科から派生した診療科です。
ストレスが加わると下痢してしまう、などのことにお困りの場合など、心療内科の受診をお勧めします。

摂食障害では過食・嘔吐・チューイングなどの行為による口内の荒れ、歯のトラブルが多く存在します。
口内のトラブルは歯科受診が必要です。

160914h